源氏物語 ・ おもしろ読み

ドストエフスキーの全著作に匹敵する(?)日本の古典一巻を 現代語訳で読み,かつ解く,自称・労大作ブログ 一日一話。

第二章 大君の物語(二)

第八段 薫と大君、和歌を詠み交す

【現代語訳】

 姫君も、

「どうしたことだ、もしいい加減な気持ちでおられるのだったら」と、胸が締めつけられるように苦しいので、何もかも考えのかみ合わない女房のおせっかいを憎らしいとお思いになる。いろいろとお考えになっているところに、お手紙がある。いつもより嬉しい気がなさるのも思えばおかしなことである。秋の様子も知らぬげに、青い枝で片一方はたいそう色濃く紅葉したのを、
「 おなじ枝をわきて染めける山姫にいづれか深き色と問はばや

(同じ枝を分けて染めた山姫をどちらが深い色かと尋ねましょうか)」
 あれほど恨んでいた様子も、言葉少なく控えめにして包み文にしていらっしゃるのを、

「うやむやにして済ますつもりらしい」と御覧になるにつけても、心騷ぎして見る。
 やかましく、「お返事を」と言うので、「差し上げなさい」と譲るのも、嫌な気がして、そうは言え書きにくく思い悩まれる。
「 山姫の染むる心はわかねどもうつろふかたや深きなるらむ

(山姫が染め分ける心はわかりませんが、色変わりしたほうに深い思いを寄せている

のでしょう)」
 さりげなくお書きになっているのがおもしろく見えたので、やはり恨みきれないと思われる。
「身を分けてなどと、お譲りになる様子は度々見えたが、承知しないのに困ってお企てになったようだ。その効もなく、このようにつれなくするのもお気の毒で、情けのない人と思われて、ますます当初からの思いがかなわないのではなかろうか。
 あれこれと仲立ちなどするような老女が思うところも軽々しく、結局のところ心を寄せたことさえ後悔され、このような世の中を思い捨てようとの考えに自分自身果たせなかったことよと体裁悪く思い知られるのに、それ以上に、世間にありふれた好色者の真似して、同じ人に繰り返し付きまとわるのも、まことに物笑いな『棚無し小舟』みたいだろう」などと、一晩中思いながら夜をお明かしになって、まだ有明の空も風情あるころに、兵部卿宮のお邸に参上なさる。

 

《大君は薫が帰ってしまったことに慌てて、薫の中の宮への気持ちがいい加減なものだったら、中の宮がかわいそうだと心を痛め、それにつけても、侍女たちが余計なことをするから、こうしたことになったのだと、恨めしく思われます。

 そうしているところに、薫から手紙が来ました。私の思いがお二人のどちらに深いかは、「山姫」(「山を守る女神。山の木の葉を染め、紅葉させると考えられていた」・『集成』)に聞けば、すぐに答えてくれるでしょう、あなたがいろんなことをなさっても、私のあなたをお思いする気持ちは、これっぽっちも変わらないのですよ、…。

 どうやら、この間のことはなかったことにするということのようで、大君は、今までどおりのお付き合いだけはできそうだと、ほっとします。しかし、私に思いをかけてもらうのは困る、さてどうしたものか、…。

 返事は、本当は自分はしたくないのですが、妹にさせては、後朝のようで、何もなかったのに変ですから、仕方なく自分で書きました。山姫の考えは分かりませんが、あなたが昨夜、心を移してお会いになった方への思いの方が強いのでしょう、…。

 大君の返事を受け取った薫は、また思い悩みます。大君の企てだったらしいが、このまま中の宮を放っておいたら、情がないと思われて、肝心の大君に見下げられるだろう、といって中の宮に近づいたのでは「何かと(大君に)仲立ちしているらしい老女(弁)の手前も軽々しい振舞だし」(『集成』)、そう考えると大君に心を寄せたことからして、出家を志していた自分としては、まるで好色者のような振る舞いをすることになって、実にみっともないことになった、さて、どうしたものだろうか、…。

 そう考えて夜を明かしてしまった薫は、何を思ったのか、匂宮のところに出かけて行ったのでした。》

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第七段 翌朝、それぞれの思い

【現代語訳】

 弁が参って、
「ほんとうに不思議に、中の宮はどこにいらっしゃるのだろう」と言うのを、とても恥ずかしく思いがけないお気持ちで、

「どういうことだったのだろう」と思いながら臥せっていらっしゃる。昨日おっしゃったことをお思い出しになって、姫宮をひどい方だとお思い申し上げなさる。
 すっかり明けた光を頼りにして、壁の中の「こおろぎ」が這い出しなさった。思っておられることを考えてお気の毒なので、こちらも何もおっしゃることができない。
「奥ゆかしげもなく情けないこと。今から後も気を許せないことになったのだ」と思い乱れていらっしゃる。
 弁はあちらに参って、あきれたお気の強さをすっかり聞いて、

「あまりにも思慮が深く、かわいげがないこと」と、気の毒がって呆然としている。
「今までのつらさはまだ望みの持てる気がしていろいろと心を慰めていたが、昨夜はほんとうに恥ずかしく、身を投げてしまいたい気がする。お見捨てがたい気持ちで遺していかれたおいたわしさをお察し申し上げると、また、一途にわが身を捨てることもできないだろう。好色がましい気持ちは、どちらにもお思い申すまい。悲しさも恨めしさも、それぞれ忘れられなさることはなかろう。
 宮などが気のおけぬふうにお手紙を差し上げなさるようだが、同じことなら気位高く、という考えが別におありなのだろう、とよくよく納得したので、まことにごもっともで恥ずかしくて。再び参上して、あなた方にお目にかかることもいまいましくてね。まあ、このように馬鹿らしい身の上を、また他人にお漏らしなさるな」と、恨み言をいって、いつもより急いでお出になった。

「どなたにとってもお気の毒で」と、ささやき合っている。

 

《弁が、薫が出て行った様子を見て、姫の部屋にやって来ました。「後朝の事をとりおこなわなければならない」(『評釈』)のだそうです。部屋に入ると、姫がひとり横になっています。もちろん大君だとばかり思っていますから、中の宮の心配を独り言で言いながら近づきます。

それを聞きながら中の宮は、昨日の姉の「せめてあなただけでも世間並みに結婚なさって」(第二段)という言葉を思い出して、すべては姉の考えたことだったのだと思い当たり、つらい思いで布団をかぶっています。

そこに、一晩「壁の中のコオロギ」のように身を隠していた大君が出てきます。そして、こうして姉妹ともに一人の男性に姿を見られたと思うと、「八の宮家の姫ともあろうものが」(『評釈』)と、やるせなさに耐えがたい気がします。しかし、さすがに妹が怒っているだろうと思うと、かける言葉もありません。

その時の弁の様子が語られませんが、大君をよく知る彼女は、一瞬で一切を理解して、姫の不本意を承知の上で薫を手引きしたことで、二人に対して顔向けならず、慌てて引き下がった、というところでしょうか。

そして、薫のところに行きます。すると薫は、それなりに楽しくしゃべったことなど言えもしませんから、かえって逆に、不首尾の憤懣を彼女にぶつけ、改めていきさつを知った弁は、大君の予想以上の強硬さに呆れてしまいました。

薫は、憤懣や情けなさや自己嫌悪や何やかやの気持ちで、弁に嫌味を浴びせかけます。

これまではいつか大君のお気持ちも和らごうかと自分を言い聞かせてきたが、今夜ばかりはみっともなくて死んでしまいたいくらいだ、それでも、故宮に頼まれたことを思えば、そうもできない、もうどちらの姫とも結婚など考がえるのはやめた、大君はこれからずっと私の「悲しさも恨めしさも」受け続けられるのだ、おおかた私よりも身分の高い匂宮の方がいいとでも思っておられるのだろう、よく分かったので、これからはお前たちの顔を見るのもいまいましい、まさか人に話したりはしないだろうな、…。

思いの憂さをぶちまけると、薫は、後も見ないで(とは書かれていませんが)、都に帰ってしまいました。

思えば昔、源氏が空蝉を目当てに忍んで行って、そこにいるのが軒端の荻だと気づいた時には「人違いをしてまごまごしていると見られるのも愚かしく、この人も変だと思うだろう」と契りを結んでしまったものでしたが(空蝉の巻第四段1節)、この人はそういう人ではありません。

ただ、女房たちは、最悪の事態に、ただ顔を見合わせてため息をついているばかりです。》

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第六段 薫、相手を中の宮と知る~その2

【現代語訳】2

 老女連中は、十分にうまくいったと思って、
「中の宮はどこにいらっしゃるのだろう。不思議なことだわ」と、探し合う。
「でも、どこかにいらっしゃるだろう」などと言う。
「いつも、拝見すると皺の延びる気がして、素晴らしく立派でいつまでも拝見していたいご器量や態度を、どうしてとてもよそよそしくお相手申し上げなさるのでしょう。何ですか、これは世間の人が言うような、恐ろしい神様が、お憑き申しているのでしょうか」と、歯は抜けて、かわいげもなく言う女房がいる。また、
「まあ、縁起でもない。どんな魔物がお憑きになっているものですか。ただ、世間離れしてお育ちになったようですから、このようなことでも、ふさわしくとりなして差し上げなさる人もなくていらっしゃるので、きまり悪くお思いなのでしょう。そのうち自然とお馴染みになったら、きっとお慕い申し上げなさるでしょう」などと話して、
「早くうちとけて、理想的な生活におなりになってほしい」と言いながら寝入って、いびきなど聞くに堪えない者もいる。
「逢ふ人から(逢いたい人と過ごした)」というのではない秋の夜であるが、間もなく明けていくようで、どちらとも区別することもできない優美なご様子を、自分のせいながら物足りない気がして、
「あなたも私を好きになって下さい。とても情けなくつらいお方のご様子を真似なさいますな」などと、後の逢瀬を約束してお出になる。

自分ながら妙に夢のように思われるが、やはり冷たい方のお気持ちを、もう一度見極めたいとの気で気持ちを落ち着けながら、いつものように、出てお臥せりになった。

 

《女房たちは、そんなこととは知らずに、この時になって、中の宮のことを心配し始めましたが、すぐにそれも措いて、これまでてこずらせてきた大君への愚痴です。

あんな素晴らしい殿方が思いを寄せて下さるのに、何を思って「とてもよそよそしくお相手申し上げなさるのだろう」…。

お年はいっていらっしゃっても、田舎のお嬢様育ちで初心で慣れていらっしゃらないからでしょう、「(こうして)そのうち自然とお馴染みになったら」きっとむつまじくおなりでしょう、…。

仲間内でそんな話をしながら、中の宮のことはそのままに、「寝入って、いびきなど聞くに堪えない者もいる」とは、なんともおどろおどろしい話です。

一緒に夜を過ごす相手が誰であるかによって、その夜が長くも短くも思われるというけれど、今夜は、目当ての人ではなかったのにずいぶん短く感じられる、それほどこの中の宮は、薫にとって大君に劣らず「優美」に思われました。

いつかこの人も自分のものにしたいような気がしながら、夜明けを迎えて、薫はまた、昨夜のように、部屋を出て、廂の間で横になります。

「楽しくて、あっけなく夜が明けたのではなかった。悩みが倍して、たちまちに時が過ぎてしまったのである」と『評釈』が言っていて、一読、なるほどそうかと思ってしまいましたが、しかし、そうだとするとやはり中の宮との同室は煩わしいばかりではないかと思われます。

一方に「楽し」さがあるからこその物思いもあるのであって、「風情ある優しい感じ」での対話も、それなりに楽しかったのではないでしょうか。》

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第六段 薫、相手を中の宮と知る~その1

【現代語訳】1

 中納言は、独り臥していらっしゃるのを、そのつもりでいたのかと嬉しくなって、心をときめかしなさるが、だんだんとそうではなかったと分かる。

「もう少し美しくかわいらしい感じが勝っていようか」と思われる。
 驚いてどうしていいかわからずにいらっしゃるのを、

「なるほど、何も知らなかったのだ」と見えるので、とてもお気の毒でもあり、また思い返すと、隠れていらっしゃる方の冷淡さがほんとうに情けなく悔しいので、この人も他人のものにはしたくないが、やはりもともとの気持ちと違ったのが、残念で、
「一時の浅い気持ちだったとは思われ申すまい。この場はやはりこのまま過ごして、結局、運命から逃れられなかったら、こちらの宮と結ばれるのも、どうしてまったくの他人でもないし」と気を静めて、例によって風情ある優しい感じでお話して夜をお明かしになった。

 

《薫は、姫が一人寝ているのを、初めは大君だと思って喜んで近づいたのでしたが、弁が予想したように違っていることが、すぐに分かりました。

前に垣間見た時、薫は、中の宮は「横顔などは、実にかわいらしげに見えて、色つやがよく、物やわらかにおっとりした感じ」であり、大君は「頭の恰好や髪の具合は、前の人(中の宮)よりもう少し上品で優美さが勝っている。…気高く奥ゆかしい感じが加わって見え、…やさしく優美」だと思って見たのでした(椎本の巻末)。

ちなみに、二人の最初の紹介(橋姫の巻第一章第二段)も、子供のころの話ですが、「(中の宮は)器量は本当にとてもかわいらしく、不吉なまで美しく」、大君は「気立てはもの静かで優雅な方で、外見も物腰も気高く奥ゆかしい様子」とありました。

目の前の姫は、「美しくかわいらしい感じが勝って」いるように思われたのです。

薫は、目を覚まして驚いた中の宮をかわいそうに思う一方で、隠れてしまった大君が恨めしく、といって、ここで中の宮に心を移して「(大君への思いが)一時の浅い気持ちだったとは思われ」るのも不本意で、結局、何の手出しもしないままに、またしても「例によって風情ある優しい感じでお話して」夜を明かしたのでした。

こういう薫について、『評釈』は、「意地があり、…気が長かった」と言い、『光る』は「丸谷・とにかく薫という男は我慢強い男なんですね」と感嘆します。

昔、源氏が空蝉のところに忍び込んで、軒端の荻を見た時とよく似た状況で、あの時源氏は「人違いをしてまごまごしていると見られるのも愚かしく、この人も変だと思うだろう」と考えたのでした(空蝉の巻第四段1節)が、そのとき作者は「よくないご思慮の軽薄さと言えようよ」と評したものでした。

そしておよそ二百年下った時代ですが、「俊成卿女」の手になるとされる『無名草子』が薫を「はじめより終わりまで、さらでもと思ふふし一つ見えず、返す返すめでたき人なんめり」と評しているところを見ると、この薫の振る舞いは、当時としても立派と考えられていたようです。

ということは、実は逆に男性一般としては、なかなかあり得ない振る舞いであるということでもあります。それがなぜそうあり得たかということについて、『光る』が「大野・この『宇治十帖』では、作者は書こうとする主題のために、実験的に舞台を設定している」として、薫の生い立ちがそういう振る舞いをさせているのだと解説しますが、同時に「大野・小道具を使っての動きが事柄として書かれないで、、ただ、心理だけが言葉でつづられている」と指摘し、「丸谷・この巻の弱点の一つは、薫は絶対に乱暴をしない男だという、有無を言わせぬ小説的な書き方がないことですね」と言います。

ただし、平成の世の現代的草食系男子には、案外、こういう分析など必要なく、すっきり受け入れられるのではないかという気もします。》

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第五段 大君、中の宮を残して逃れる~その2

【現代語訳】2
 宵を少し過ぎたころに、風の音が荒々しく吹いて、頼りないことになっている蔀などはきしきしと鳴る紛らわしい音に、

「人が忍び入っていらっしゃる音は、お聞きつけになるまい」と思って、静かに手引きして入れる。
 同じ所にお寝みなっているのを気がかりだと思うが、いつものことなので、

「別々にとはどうして申し上げられよう。ご様子も、よくお分かりにならないなどということはないだろう」と思ったのだが、少しもお眠りにならないので、すぐに足音をお聞きつけになって、そっと起きて抜け出しておしまいになる。とても素早く這ってお隠れになる。無心に寝入っていらっしゃるのを、とてもお気の毒に、どうしたらよいだろうと胸がつぶれて、一緒に隠れてしまいたいと思うが、そのように立ち戻ることもできず、震えながら御覧になると、灯りがほのかな中に、袿姿で、いかにも馴れた様子で几帳の帷子を引き上げて中に入ったので、ひどくおいたわしくて、

「どのようにお思いになるだろう」と思いながら、粗末な壁の面に屏風を立てた後のむさ苦しい所にお座りになる。
「将来の心積もりとして話しただけでも、つらいと思っていらっしゃったのを、まして、どんなに心外にお疎みになるだろう」と、とてもおいたわしく思うにつけても、まったくしっかりした後見もいなくて、落ちぶれてこの世に残る二人の身の上の悲しさを思い続けなさると、今を限りと山寺にお入りになった父宮の夕方のお姿などが、まるで今のような心地がして、ひどく恋しく悲しく思われなさる。

 

《夜になって吹き出した風の音に紛れて、弁の君が薫を二人の部屋に導き入れます。

 今更ですが、強盗や暴行目的ならともかく、こうして姉妹が一緒に寝ていても、その一方を恋い慕って入り込む男の感覚は理解しがたく思われますが、ことが成就するときは、一方は黙って部屋を出るとかという、暗黙の了解があるのでしょうか。

 弁の君は、さすがにそのことを気にしますが、しかし薫が相手を間違えては困るがという、私たちの心配とはまったく別の方向で、それもまあ見ればお分かりだろうと、ことを進めます。

 と、大君は眠れないでいて、その足音を聞きつけて、思ったとおりだったと、そっと床を抜け出して屏風の陰に隠れてしまいました。

こういう時、これもまた今さらですが、どうして、逃げ出さないで、例えば入って来たらしい者に声を掛けるとか、わざと妹に語り掛けるとか、しないのかと思いますが、そういうことはすべきことではないのでしょう。どう考えるのでしょうか。女性には多くの制約があって、まったくの受け身だったということのようです。

 さて、中の宮は何も知らずに眠っています。大君は妹のことが気になるのですが、今さら迎えに出ても行けず、もともとこの人を薫に嫁がせることを考えていたこともあるからなのでしょうか、屏風の陰から成り行きを見ています(それもまた、姉としていかがなものかという気がしますが…)。

 彼女は妹の驚きや恥ずかしさを思って胸を痛めながら、もし父宮がいてくださったらどんなに心強かろうにと「恋しく悲しく」思うのでした。『評釈』はそれを父在世のころの安心していられた時代を恋しく思ったというように解説していますが、こういう場合にそういう感傷的なことを思うのでしょうか。

彼女は、こうして薫と中の宮がうまく結ばれることを本気でいいことと考えて、そうなったときに父がいてくれることが望ましかったと思っているのではないでしょうか。少なくとも彼女は、妹を驚かせて悪いとは思っても、非道なことをしているとは思っていないように見えます。》

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